奥様が墓場まで持っていく黒い過去 Part.5
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新卒の時に配属された部署の上司(男)にとても可愛がってもらっていた。以下、上司のことはAとする。Aは課長~部長クラスの役職で、実績もある優秀な50代のおじさん。大きな会社なんだけど、目立つ人で別の部署、支社の人も「あ、あのAさんねー」と知られた存在だった。
Aは初対面の時から私のことを気に入り、「俺を父親だと思っていいぞ!」と言い、色々と面倒を見てくれ、仕事のことも細かく教えてくれた。
新卒~新人がなかなか関われない様な大きな案件も扱わせてもらい、仕事後も「おごりだ!」と言って頻繁に美味しいお店に連れていってもらった。
本当に、本当に可愛がってもらったんだ。
旦那の祖母がアポ無しでお裾分けしに来る、なんとか止めさせたい
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母が入院したので元嫁に子供らを見舞いに寄越すよう言ったら断られた
地元の女人禁制の山に東京の大学サークルが女連れて勝手に入っちゃった
今までずっと子供会の会費も徴収されてたのに運動会に行ったら断られた
同い年の友人に「離婚危機だ」と泣きつかれ、嫁さんが里帰りしてる間に家事を仕込むことになった
嘔吐腹痛が止まらず夫に救急車を呼んでと頼むと呼ぶの...と嫌そうな顔、その後もブチ切れの夫
このままだと僕は君以外の人と結婚するけど、君はそれでいいのか?
2年前に別れた元彼から電話が来て、結婚式に招待された「頼むから誤解を解いて!」
お通夜の会場に行くと、Aの奥様が駆け寄ってきて私を抱き締めた。
そして、私がAと奥様の亡くなった娘さんにそっくりだったこと、そんな私のことをAは「娘が帰ってきたみたいで嬉しい」と嬉しそうに奥様に語っていたという。
奥様は「本当に娘にそっくり。あなたが来てから主人は本当に幸せそうだった」と泣きながらお礼を言ってきた。私は「本当に可愛がって頂きました…」と言うことしかできなかった。
それは私が本当はAの事を嫌っていたことだ。
Aの事が嫌で嫌でたまらなかった。
Aは確かに人懐こく、明るいオジサンという感じの人だったが、反面感情的でしつこい性格で、馴れ馴れしかった。
仕事が出来たから尊敬もされてたし、カリスマ性もあったけど、その分、彼に物申せる人は少なかった。
「娘だと思って言ってやってるんだ」「俺は父親のつもりでお前をしつけるぞ」とか言ってたけど、私はAの娘じゃないし、父親だってちゃんといる。
実親がどんなに怒っても手を上げてくるタイプじゃなかったこともあって、Aにげんこつされるのは不愉快でたまらなかった。
でも、本気で強く叩くわけじゃないし、Aが私のことを可愛がっているのは皆知ってたから、「今の時代的に叩く真似もダメですよ…」とそれとなく言う人はいたけど、それ以上は誰も止められなかった。
そして、うちの会社は「若手のうちは1~2年のスパンで異動して、様々な部署を経験する」という考え方なのだけど、Aは「こいつはこの部署が向いてる!才能がある」と主張して、5年間私を自分の元に留め置いた。
「あっちの部署を経験してみたいです」と言っても「いや、お前にはここ以外は合わないから」と取り合ってもらえなかった。
その先輩社員は家庭があり、まだ幼い子供がいるのに無理やり付き合わされる形になり、本当に申し訳なかった。
しかし、先輩に謝ると「君は悪くないよ。断るとAさんはしばらく機嫌悪くなるし、二人で飲みになんか行ったらずっと説教されて大変なことになるから…」と諦めた様に言った。尚更申し訳なかった。
そんな感じだから本当にしんどかったのだけど、Aが心から私のことを可愛がっていたのは分かっていたし、しかも、A本人は私に亡くなった娘さんの話をすることはなかったけど、
他の社員が「Aさんはあなたのことを亡くなった娘さんだと思って可愛がってるんだから、その恩に報いなさいね」とか言ってくるから、誰にも愚痴を吐き出せなかった。
叩かれること、しつこく飲みに誘われることも辛いし、明らかに入社5年目に任せる仕事じゃないものを任せられるのもキツかった。
確かにいい経験にはなったけど、取引相手も困惑していたし、裏でAが手回しするものだから、一部の同期や先輩社員から「えこひいき、親の七光り(親じゃないけど)」と陰口叩かれたり、ちょっとした嫌がらせをされるのは堪えた。
交際相手と結婚する予定もあって、親族のみで海外挙式をしようとしたら、「何で俺を呼ばないんだ」と怒鳴り散らされて大変だった。以後、「日本で披露宴しろ、俺がスピーチする」と毎日の様に言われ、精神的に限界だった。
だけど、その告発メールをハラスメント対策室に送る前に、Aはアッサリと亡くなってしまった。
「メールを出さなくて良かった、出す必要がなくなって良かった」と思う一方で、「告発して、復讐してやりたかった」とも思った。
告発メールを下書きするときに、『紙んでくれないかな』と呪っていたので、そのせいでAが亡くなったのではないかとも震えた。
そのせいか、Aが亡くなった直後、一気に10キロ近く痩せ、周囲から同情され慰められた。
…結果的に結婚式までに痩せられて良かったとも言えるけど。
ちなみに、今はそれから10年近く経ってるけど、今でも重役からは『きみ、Aさんに可愛がられてた人だよね、立派になってAさん天国で喜んでるよ!』とか声を掛けられる。
でも、今働いてる部署はAが「お前はここに向いてる!」と言ってた部署と全く畑違いの部署。多分、今後もこっちの部署でやっていく。
Aの部署よりこっちの方が興味も適正もあって向いていると思う。
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