http://awabi.2ch.net/test/read.cgi/live/1285495075/
「父さんか母さん、どっちについて来る?」と母に聞かれたけど、
家出を繰り返し、そのたびに違う男の姿があった母についていく気になどなれず、父を選んだ。
それから1年後、母がいなくなった家で、妹が火事を出した。
妹はいつ死んでもおかしくない状態だったけど、奇跡的に命は助かった。
その代わり、体中にケロイドを負い、本当の顔も焼けて失った。
妹をあんな目に合わせたのは、幼い妹がいるのに家を出た母だと、ずっと母を恨んで生きてきた。
「孫を見ながら暮らしたい」と、男に蒸発された母がやってきた。
父との再婚を条件に母を許した。
あれから16年、母は自らが築いた借金に苦しみ、冬山に入り凍死自殺した。
時間が経ちすぎて、『遺体』なんて呼べるものではなくなった肉塊が収められた棺を見て、
やっぱりあんな母を許した自分が馬鹿だったと悟った。
傷はぜったい消毒するな 生態系としての皮膚の科学 (光文社新書)