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20年ぐらい前に実家でチワワを飼ってたんだが、
その犬がなんか変だった。
じーちゃんが老人会の帰りに拾ってきた犬で、
雨が降る中、泥だらけでクシャクシャになって震えてたそうで
あんまり可哀想で連れて帰ってきたそうだ。
お風呂でキレイに洗ってブローしたあと写真を撮って
地元のフリーペーパーに「飼い主探しています」と載せて貰ったんだけど
飼い主は現れなかった。
首輪していたから絶対飼い犬だったと思うし、
首輪の特徴も明記しておいたんだけどね。
うちは今まで犬とか猫とか飼ったことなかったけど
じーちゃんがその犬に情が沸いちゃって、もうこのまま飼うかってことに。
名前もポチ(仮名)とつけて一家の一員になった。
このポチがやたらとクシャミをする。
風邪ってわけでもなさそうだけど、
忘れた頃に「ビシッ!」って感じの変なクシャミ。
不思議だったのは、そのタイミング。
うちのじーちゃんは、とにかくつまんないギャグを連発して
笑いを欲しがるジジイで、
家族はみんな面倒臭がってあまり相手にしてなかった。
(だがたまにヒットがあったww)
でもそんな時、じーちゃんのギャグのあとにポチが「ビシッ!」とクシャミをする。
「あかまきがみ あおまきがみ ちあみなおみ」「ビシッ!」
「痛いの痛いの屯田兵~」「ビシッ!」
とか、そんな感じ。(すみません、それぐらいのギャグしか覚えてない)
じーちゃんのギャグに対しての“つまらん”という突込みなのか
私たちの白けた空気の代弁なのか分からないけど
とにかく絶妙のタイミングだった。
昔「うしろの百太郎」という心霊漫画で、
“生類憐みの令があった江戸時代に犬を切り捨てて死罪になった男の生まれ変わり”
という設定の、言葉をしゃべるゼロという犬がいたけど
もしかしたら、そんな感じの何かの生まれ変わりなのか?と思ったりもした。
でもポチのクシャミのおかげで、少々ウザかったじーちゃんのギャグが
楽しくなったのも事実だった。
じーちゃんはポチをすごく可愛がってて
ポチが死んだときは、ばあちゃんが死んだときより落ち込んでた。
いい話で胸が熱くなって感動していたら
最後の「ポチが死んだときは婆ちゃんが死んだ時より落ち込んでた」
このオチ笑ってお茶吹き出したわ 幸せなポチ 私も犬飼いたくなりました
ポチの告白 [DVD]
チワワ並みの頭脳ってことだな わ~い